目次
はじめに
木造住宅の基礎は鉄筋コンクリート造です。メーカーの特殊な工法でも基礎は鉄筋コンクリート造になります。大きな会社も小さな会社も共通しているのが基礎工事なのです。だから、基礎の仕様をみるとあなたが選ぼうとしている住宅会社の構造知識や技術が分かります。とはいっても、全てを確認するには、あなたに構造的な知識が必要になりますので、ココだけ見てという部分にフォーカスしてみます。それは「人通口」です。最後まで読んでいただくと、良い住宅会社を選ぶ一つの基準になります。
人通口ってなに?
そもそも人通口って何なんでしょう?床下を人が通るために立ち上がりの基礎が一部、切られているところを人通口と言います。写真の赤丸部分です。
どうして人通口が必要なの?
住宅は60年以上の長い時間を過ごす場所になります。その間に色々なことが起こります。その度に床をめくって工事なんてできませんので、まずは床下に潜って現状を調査する必要があります。その為に人通口は必ず必要になります。
設備配管を点検するため
1階の床下には基礎があります。基礎と1階床の間には、キッチン・お風呂・洗面・トイレなどの設備給排水の配管があります。その配管を点検、メンテナンスをするために床下の空間を人が通行できるようにしておく必要があります。
シロアリやカビの点検
床下の湿度が高いと結露してカビが発生します。また、シロアリも湿度が高いところには寄ってきやすいです。この場合は、床下に換気扇を設けるなど対策が必要になります。床下の電気工事をするために人通口は必要です。
床鳴りするときに
大工さんが床下に潜って、床束を調整することで床鳴りは収まります。床束はこの写真です。
開口部はしっかりと補強する
人通口は基礎の立ち上がりをなくして、人が通るようにします。その為に連続した立ち上がり基礎にはなりません。つまり、構造体の欠損になりますのでしっかりと補強が必要になります。どのように補強するのかは住宅会社によって違いますが、構造を理解していない補強があるのも事実ですので、ここから先は住宅会社を見極めるのにとても重要な内容になります。お伝えするのはインザホームの補強についてになりますのご了承ください。
木造住宅に地中梁は必要なのか?
インザホームでは、地中梁で補強しています。そして、立上り部分にも斜め筋をいれます。応力の弱い部分に人通口を設けて梁に応力を負担させている設計です。更に、建物全体に地中梁が連続していますのでしっかりと「構造ブロック」が構築されています。
地中梁とは?
地面の中の梁の事です。外周部だけではなく、中央部も掘り下げて梁を設けている構造になります。
床だけの鉄筋ではなく、地中の梁を設けることで強い構造になります。また、底盤を厚くして2重に底盤の鉄筋を増やすよりも、安い金額で強い基礎になります。
構造ブロックとは
地中梁で囲まれた構造単位になります。写真で見た方が分かりやすいと思いますのでご覧ください
さらに分かりやすくする為に赤で囲います
赤色のバツで囲まれた部分が構造ブロックになります。比較してみるとよくわかると思います。ネットから拾ってきた写真がコチラ↓
↑この写真がインザホームの基礎鉄筋になります。地中梁で区画されているのが分かるとお思います。そして、区画された中の底盤の鉄筋量が違うのも分かります。比べると分かりやすいですね。
人通口の位置
ここでもう一つ注目していただきたいのは、人通口の位置です。地中梁の上に人通口があります。言い方を変えると、人通口の構造欠損を地中梁で補強をしているわけです。この構造を逆にすると理解が深まります。マンションの南側には窓があります。これは壁が無い開口部になります。開口部の上には、梁が必ずあります。つまり梁がなければ構造が成り立たないわけです。人通口は地中梁の上にあるのが正しい構造になります
契約前に基礎鉄筋をみせてもらう
基礎鉄筋をみるだけでも住宅会社に構造的な知識や技術があるのかが分かります。地中梁で構造ブロックで区画されているのか?人通口は地中梁で補強されているのか?この2点を観るだけでも、安全な家を手に入れる可能性はグッと高くなります!長く安心して暮らす為には、構造は絶対におさえてください。
動画でも基礎についてお話しています
実際の現場で解説しています。コンクリート打設する前の鉄筋工事が終わっているタイミングです
まとめ
基礎の鉄筋についてのお話をしました。その中でも人通口にスポットを当ててみました。コンクリート打設前に数日しか見ることができない現場の状況ですが、とても重要な構造の一部になります。プラン(設計)の段階で地震に強いのかが決まってしまいます。「地震に強い家を建てています」という言葉だけを信用しないで、実際の現場写真を見せてもらってください
インザホームでは無料で1級建築士が相談をしています。ご予約はコチラから受付ています。