木造住宅を耐震等級3にするべき理由
目次
はじめに
この記事では、木造住宅の耐震等級3とは何か、なぜ必要なのか、どのようにして達成できるのかについて説明します。
耐震等級3とは、最大震度7の地震にも耐えられるように設計された建物のことです。
30歳で建てて90歳までの60年間で起こるかもしれない大きな地震や台風に耐えられる事が出来ます。
日本の地震事情と木造住宅の現状
日本は世界でも有数の地震大国であり、過去にも多くの大規模な地震が発生しています。
地震は予測が困難であり、いつどこで起こるかわかりません。そのため、常に地震に備える必要があります。
日本の住宅の約6割は木造住宅です。しかし、木造住宅の多くは古くて耐震性が低いものが多く、地震によって倒壊したり損傷したりする危険性が高いです。
「地震に強い家を建てます」といいながら、耐震等級3では無い家が多いです。
熊本震災の益子町では、16棟しか耐震等級3の家はありませんでした。
耐震等級3の家は住み続けられています。
耐震等級3とは何か
耐震等級3とは、建築基準法で定められた建物の耐震性能の最高ランクです。
耐震等級3の建物は、最大震度7(揺れが非常に強い)の地震にも耐えられるように設計されています。
耐震等級3の建物は、地震時に倒壊する可能性がほぼなく、構造的な損傷も少ないです。
その強さは熊本震災でも証明されました。
耐震等級3にするメリット
地震時に家族や財産を守ることができます。
倒壊や損傷を防ぐことで、人命や財産の損失を最小限に抑えることができます。
地震後に早く日常生活に戻ることができます。
構造的な修復や補強が不要または少ないため、住み続けることができます。
長期的なコストパフォーマンスが高いです。
耐久性や安全性が高いため、メンテナンスや更新費用が少なくて済みます。
災害時に社会貢献できます。
自分の家が安全であれば、近隣や地域の人々を助けたり、避難所として提供したりすることができます。
地震保険料が50%OFFになります。
永久的に保険料が半額になるので家計も助かります。
耐震等級3にする方法
耐震等級3にする方法は大きく分けて2つあります。
①新築時に耐震等級3の設計と施工を行うことです。
これが最も確実で効果的な方法です。耐震等級の認定を受ける事が必要になります。
②既存の木造住宅に耐震改修を行うことです。
これは、建物の構造や状態によって可能性や効果が異なります。
現行の建築基準法に合わせる必要があります。
新築時に耐震等級3にするポイント
新築時に耐震等級3にするポイントは以下の通りです。
耐震等級3の設計を行う専門家に依頼することです。
耐震等級3の設計は、通常の設計とは異なる専門的な知識や技術が必要です。
そのため、耐震等級3の設計を行える1級建築士に依頼することが重要です。
ちなみにインザホームでは耐震等級3は標準仕様で間取りの段階から1級建築士が行います。
耐震等級3の施工を行う業者に依頼することです。
耐震等級3の施工は、通常の施工とは異なる高度な技術や品質管理が必要です。
そのため、耐震等級3の施工を行える建築業者や工務店などに依頼することが重要です。
耐震等級3の証明書を取得することです。
耐震等級3の設計と施工が完了したら、耐震等級3であることを証明する書類を取得する必要があります。
これは、建築基準法で定められた耐震性能評価書または耐震性能証明書のことです。
これらの書類は、建物の登記や売買、保険などに必要になります。
長期優良住宅であれば問題ないです。インザホームでは標準です。
耐震等級3にするコツ
耐震等級3にするコツは以下の通りです。
基礎や柱や梁などの構造部材を強化することです。
建物の耐震性能は、基礎や柱や梁などの構造部材がどれだけ強くてしっかりとつながっているかに大きく影響されます。
そのため、これらの部材を強化することで、地震時に建物が崩れるリスクを減らすことができます。
上下階の柱・壁を合わせる事も耐震性には有効です。
壁や床や屋根などの非構造部材を軽量化することです。
建物の重量は、地震時に受ける力に比例します。
そのため、壁や床などの非構造部材を軽量化することで、地震時に建物にかかる負荷を減らすことができます。
窓やドアなどの開口部を適切に配置することです。
窓やドアなどの開口部は、建物の剛性や強度を低下させる要因になります。
そのため、開口部を適切に配置することで、建物全体のバランスや安定性を高めることができます。
2階の床や小屋梁などの水平部の強度を高める事です。
地震や台風は水平方向の力が掛かりますので、とても重要になります。
構造区画された間取りで設計する。
構造区画は「構造ブロック」と言われます。
いくつかに区画された構造体が集まったものが間取りになります。
この動画が参考になりますのでご覧ください
耐震等級3にした事例
耐震等級3にした事例は以下の通りです。
新築事例:[木造住宅の耐震等級3の新築事例]は、木造住宅の耐震等級3の設計と施工を行った1級建築士のYouTubeです。
耐震等級3の建物の特徴やメリット、設計や施工のポイントなどを詳しく紹介しています。
耐震等級3にするQ&A
耐震等級3にするQ&Aは以下の通りです。
Q:耐震等級3にするとどれくらい費用がかかりますか?
A:耐震等級3にする費用は、建物の規模や状態、設計や施工の内容によって異なります。
一般的には、新築時に耐震等級3にする場合は、通常の建築費用に10~20%程度上乗せされると言われています。
インザホームの場合は、そこまで予算は必要ありません。
申請・構造計算は原価です。基準法の強度から耐震等級3にする場合には、35坪ぐらいの家で60万円ぐらいになります。
標準で耐震等級3なので追加金は必要ございません。
Q:耐震等級3にするとどれくらい安全ですか?
A:耐震等級3にすると、最大震度7の地震にも耐えられるようになります。
これは、建物が倒壊する可能性がほぼなく、構造的な損傷も少ないことを意味します。
しかし、地震の規模や場所、建物の環境や条件などによっては、完全に安全とは言えません。
そのため、地震発生時には適切な避難行動を取ることが必要です。
隣家や電柱が倒れてくることも考えられます。
Q:耐震等級3にするとどれくらい快適ですか?
A:耐震等級3にすると、地震時だけでなく日常生活でも快適さが向上します。例えば、
- 耐震等級3の建物は、音や熱の伝わりが少なく、静かで快適な空間を提供します。
- また、揺れやゆがみが少ないため、家具や家電などの配置や動作にも影響が少なくなります。
- 耐震等級3の建物は、長期的なメンテナンスや更新が少なくて済むため、経済的な負担も軽減されます。
- また、耐久性や安全性が高いことで、建物の価値や信頼性も高まります。
- 耐震等級3の建物は、災害時に自分や家族だけでなく社会にも貢献できる可能性があります。
- 例えば、自分の家が安全であれば、近隣や地域の人々を助けたり、避難所として提供したりすることができます。
- 耐震等級3の家は、高気密を維持しやすいです。
- 家の揺れで隙間ができる事が少ないからです。
10.耐震等級3を普及させるために
耐震等級3を普及させるためには以下のことが必要です。
耐震等級3のメリットや必要性を広く知ってもらうことです。
耐震等級3は、地震に強いだけでなく、快適で経済的な住まいを提供することができます。
しかし、多くの人は耐震等級3について十分に理解していないか、興味がないかもしれません。
そのため、耐震等級3のメリットや必要性を広く知ってもらうためには、メディアやインターネットなどを活用して啓発活動を行うことが重要です。
耐震等級3の設計や施工の専門家や業者を増やすことです。
耐震等級3の設計や施工は、通常の設計や施工とは異なる専門的な知識や技術が必要です。
しかし、現在は耐震等級3の設計や施工ができる専門家や業者が十分にいないかもしれません。
そのため、耐震等級3の設計や施工の専門家や業者を増やすためには、教育や研修などを通して技術や知識の向上を図ることが重要です。
耐震等級3の補助金や助成金などの制度を充実させることです。
耐震等級3にするには、通常の建築費用よりも高額な費用がかかります。
しかし、多くの人は耐震等級3にする費用を負担できないかもしれません。
そのため、耐震等級3にする費用を負担できるようにするためには、国や自治体などから補助金や助成金などの制度を充実させることが重要です。
しかし、国の補助金は余っているような状況です。
それだけ耐震等級3の家を建てられる住宅会社が少ないのかもしれません。
11.まとめ
この記事では、木造住宅の耐震等級3とは何か、なぜ必要なのか、どのようにして達成できるのかについて説明しました。
耐震等級3とは、最大震度7の地震にも耐えられるように設計された建物のことです。
耐震等級3にすることで、地震の被害を最小限に抑えるだけでなく、安心して快適に暮らすことができます。
耐震等級3にする方法は大きく分けて2つあります。新築時に耐震等級3の設計と施工を行うことと、既存の木造住宅に耐震改修を行うことです。
耐震等級3にするポイントは以下の通りです。
-
- 耐震等級3の設計を行う専門家に依頼すること
- 耐震等級3の施工を行う業者に依頼すること
- 耐震等級3の証明書を取得すること
- 基礎や柱や梁などの構造部材を強化すること
- 壁や床などの非構造部材を軽量化すること
- 窓やドアなどの開口部を適切に配置すること
- 耐震等級3を普及させるためには以下のことが必要です。
- 耐震等級3のメリットや必要性を広く知ってもらうこと
- 耐震等級3の設計や施工の専門家や業者を増やすこと
- 耐震等級3の補助金や助成金などの制度を充実させること
12.おわりに
この記事では、木造住宅の耐震等級3にする重要性についてご紹介しました。
日本は地震大国であり、いつどこで大きな地震が起こるかわかりません。
そのため、自分や家族の命や財産を守るためには、耐震等級3の建物に住むことが望ましいです。
耐震等級3の建物は、地震時だけでなく日常生活でも多くのメリットを提供します。
耐震等級3にするためには、専門的な知識や技術が必要ですが、それだけではなく、意識や行動も必要です。
耐震等級3への関心や理解を高めることが、耐震等級3への第一歩です。
この記事が、木造住宅の耐震等級3にすることに興味を持っていただいたり、参考になったりすることを願っています。
ありがとうございました。